2023年12月
長かったコロナ禍もどうにか収まり、街にはインバウンドの海外の人々が多く見られるようになりました。私の中でも、そろそろ海外旅行を解禁してもいい時期かなと思い、この円安の逆境の中計画を立てました。
エジプトでナポレオンのエジプト誌の図と現状を比べてみようという計画です。
ナポレオンのエジプト遠征は1798~1799年です。エジプト誌の発行はさらに10年くらい遅れますが、遠征時の状況が描かれているのですから、今から225年ほど前の姿になります。左右を見比べていかが思いますか。スフィンクスは肩くらいまで砂に埋もれています。カルナック神殿に至っては同じ場所なのかと思ってしまいます。そそり立つオベリスクの背後に大列柱室、さらに奥に第一塔門と思える建造物の遺構が見て取れます。おそらく間違いないとは思いますが、さすがにここまで違うと自信はありません。
200年余りをかけて、気の遠くなるようなパズルを解くがごとく、周囲に点在する石を組み立て、無いものは補足し、現在の姿になったのでしょう。
今回の旅、すべてにそのスケールの大きさに圧倒される旅でした。巨大なピラミッドの前では、スフィンクスすら小さく見えるし、巨大な柱や神殿を見ていると、人間の力と時間を超越しているとしか思えない。考えさせられる旅でした。
