Art Morpho アートモルフォ

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DICHTERGRÜSSE AUS DEM OSTEN 明治42年 東京 訳者 K.Florenz

 令和に改元され、その令和の出典とされる万葉集がブームになっているらしいですね。そこで、それにあやかり、何かないかと探したところ、ちりめん本の中にありました(^^)v
 「東からの詩的挨拶」とでも訳したらいいのでしょうか。この中で紹介されている詩歌の多くが万葉集の出典です。
 初版は明治27年で、ここで紹介するものは第12版です。残念ながらドイツ語版ですので読めません(>_<)
 このちりめん本は、昔話シリーズなどとは異なり、かなり分厚い本で、百ページもあります。そのせいか厚紙のカバーが付いています。そのカバーの意匠も扇子などをあしらい、なかなかおしゃれです。表紙も富士山と昇龍の姿を描き外国受けを狙ったデザインです。
 今回は山上憶良と浦島伝説の部分のページをご紹介します。

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THE GOBLIN SPIDER 明治32年 東京 訳者 ラフカジヲヘルン

 今回ご紹介するちりめん本は「化け蜘蛛」です。訳者は奥付けのままに表記しましたが、もちろんラフカディオハーン(小泉八雲)です。
 歌舞伎などで知られる土蜘蛛伝説と同じように妖怪退治のストーリーですが、体が半分の老婆など、初めて知る人物などが登場します。化け蜘蛛退治という話を、ラフカディオハーンが独自に脚色したものかもしれません。小泉八雲として多くの怪談話を書いていたことを考えるとあり得ることだと思います。

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THE SILLY JELLY-FISH  昭和30年 東京 チェンバレン訳

ちりめん本
 ちりめん本の「ちりめん」は「縮緬」、縮みの入った布のあの縮緬です。出会いはかなり以前で、このような本があることを知ったのも偶然の出会いから、このような本をちりめん本ということも後から知りました。
 その出会いは、京都の古書市のセリの会場で並んでいたのをふと手に取ったのが始まりでした。その縮緬紙の手触りに衝撃を受けたのを覚えています。まさに布の縮緬のごとく、柔らかく、腰のないその紙質は今までにない感触でした。どうしても欲しくなり、セリなどに参加する気もなかったのに、最後は古書店の方との二人の競り合いになってしまいました。しかし、専門家は相場を知っているので、当然のように無知な素人の私がゲット。古書店で購入するよりは多少安かったかもしれませんが、私としてみたら、思わぬ出費だったことを覚えています。  さて、このちりめん本、とても面白いのです。まず、内容が日本の昔話や説話などですが、なんと英語であったり、ドイツ語、フランス語などの外国語なのです。発行が明治期から昭和の初めにかけてのようですが、外国人向けのお土産用の本だったのです。いわゆる、日本の文化を紹介する本なのです。挿絵も多色刷り木版画でその挿絵だけでも十分に鑑賞的価値があると思います。
 後に石澤小枝子著の「ちりめん本のすべて」という本に出会い、ますますその魅力に取り付かれてしまいました。縮緬紙の制作の仕方や、出版社など、「ちりめん本」に興味のある方は一読されることをお勧めします。  その後、東京神田の古書街や京都、大阪の古書店で何冊か手に入れることができ、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の訳書版などもゲット。昔話シリーズや各言語版など、大きさも文庫本程度と小さいことなどコレクションにする要素を持つ魅力のある対象です。
皆様にも是非、ちりめん本のすばらしさを知っていただきたいと思います。ともかく触ってみなければこの本の良さは分かりません。日本の古文書や浮世絵などを扱っている古書店でちりめん本を探して、手に取って、ページをめくってください。その時初めてこの本の魅力、魔力が分かると思います。ちなみに、ちりめん本の中には平紙版と言って、縮緬紙ではない通常の紙のシリーズもあるのでご注意を。
 さて、説明が長くなりましたが、今回ご紹介するのは日本昔話から「海月」です。
 初版は明治20年3月に発行されていて、ここにご紹介するものは第17版です。さぞかし良く売れたのでしょう(^^ゞ  クラゲに何故骨が無いかのお話です。同じような話で亀の甲羅に何故ひび割れがあるのかというものもあります。私は亀派でクラゲは知りませんでした。出身地の違いなのでしょうか。
 この昔話シリーズの英訳は、もちろんストーリーが単純だということもありますが、英語が分かり易く、私にピッタリ\(^o^)/ ぜひ、中学の英語教材に使ってほしいと思います。
 明治期に出版されたちりめん本と比べると、紙の縮みが少し荒く品質的には低下しているのが分かります。昔の人は偉かった(^^)v
 今後、私のささやかなコレクションから、何冊かご紹介していきたいと思います。

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蘇州桃花塢木刻年画選  1986  蘇州

 今月2月16日は旧正月、春節です。日本でも横浜や神戸など中華街では賑やかに祝いますが、本場中国では、年間を通して最大のお祝い事ではないでしょうか。その春節に、一年の幸せを祈って各家庭が木戸口や室内に貼るのが年画です。
 様々な縁起の良い図柄が木版で刷られています。ここでは伝統的な図柄をご紹介しますが、この他にも現代風の物もあります。種類も多く、かつ色彩も鮮やかでコレクション魂に触れてしまいました(^^)v
 上段は趙公明(黒髭)、燃燈道人(白髭)で平穏無事で蓄財を願う神像。下段はネズミを捕らえる猫と害虫を食べるニワトリ。安泰、豊作を願うものです。それぞれ、対になっているのですが今回は省略しました(^^ゞ
 日本でも門松や、鏡餅、しめ飾りなどお正月を祝う様々なものがありますが、このような伝統、風習は残していきたいものですね(^^♪

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Manuscript 19世紀頃

 最近、中東関係は非常にデリケートな状況ですが、そういえばこんなものがあったと思い出したのが、今回の断片です(^^ゞ
 パリの古書店で見つけたもので、テヘラン、イラン、19世紀などとメモ書きのような説明しかなく、出典はもちろん詳細は全く不明です。金彩が美しいのと、中央の物は書体もちょっと変わっているのと、カラフルな色使いも気に入ってゲット(^^)v
 豪華な仕上げからおそらくコーランの一節ではないかと想像されますが、英語も満足に読めないのに、ましてアラビア語など読めるはずもなく…(>_<)
 しかし、美しいとは思いませんか? (^^♪

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Manuscript 16世紀頃

 今月はちょっと趣向を変えまして、マニュスクリプトをご紹介したいと思います。マニュスクリプトとは手稿、写本と訳されますが、要は手書きという意味です(^^ゞ
 印刷技術の発達する以前は、本は一ページを丸ごと版に起こして刷るか、手書きしかありませんでした。そして、当時は紙も貴重で、羊の皮すなわち羊皮紙に書いていました。
 羊皮紙という名前は知っていましたが、実際手に取ったことはなく、一度見てみたいと思っていて、手に入れたのが、今回ご紹介するマニュスクリプトの時祷書の断片です。
 時祷書というのは、 キリスト教における、 日々の祈り(朝や食事の前など)や、 季節ごとの決まりなどを書いたもので、 各家庭の必携の書物であったわけです。 王侯貴族から市民まで、 その身分に相応しい時祷書を作らせ持っていたのです\(^o^)/
 私の持っているものは、もちろん市民が持っていたものの一ページでしょうが、しっかりとしたロウ紙のような羊皮紙に金彩も施された愛らしい一枚だとは思いませんか(^^)v

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Levasseur Illustrated Atlas 1856 Paris

 今月も地図です(^^ゞ
 フランスの地理学者V. Levasseurによって制作されたフランス及びフランスの植民地の地図です。この地図の面白いのは周囲に描かれた絵や統計などの資料です。その地域の風俗や産物が描かれていて旅情を誘われます\(^o^)/
 また、人口などの表も載せられていて信憑性はともかく興味深いものです。ちなみに、中央のアジアの地図の右横の表によると当時の日本の人口は三千万人となっています(^^)v

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TARTARIE CHINOISE, ROY,DE CORÉE ET ISLES DU JAPON

 今月は趣向を変えまして古地図を取り上げてみました。地図も好きだったりして(^^ゞ
 博物画を物色する片手間に日本が描かれている地図を集めてみました。しかし、世界地図の中の日本はあまりに小さい。アジア、特に東南アジアはヨーロッパではあまり興味の対象ではないようで、日本が比較的大きく載っている地図にはなかなか出会えません(T_T)
 それと、地図って意外とお高いのです(T_T)
 日本をちょっと大きくしてみましたので、世界での日本の変遷が少しでもお分かりいただけたら幸いです。特に北海道(蝦夷、エゾ)の表記の変遷は個人的には大好きです(^^)v

 年不詳  Paris(左) ASIE  1761 Paris(中)  ASIA 1850 London?(右)

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