Art Morpho アートモルフォ

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Carcharodon megalodon 中新世後期 700万年前 フロリダ州

 巨大ザメの映画が上映されているのを知り、確か持っていたはずと探してみました。私が買った当時は、「ジョーズ」の時代でしたが、今やメガロドンが主役になる時代になってしまいました。ジュラッシックパークのヒットから恐竜が当たり前のことになってしまいましたから、メガロドンの出現も必然なのかもしれません。
 しかし、久し振りに手に取るとやはりデカイ! こんなのが今、海に泳いでいたら、海水浴どころではありませんね。

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Aipichthys sp. & Scombroclupea sp. 白亜紀  レバノン

 久し振りに化石のご紹介です。
 中央の魚が、Aipichtysです。それを取り巻いている小魚がニシンの仲間のScombrociupeaです。よく見ると中央の魚が少し削られた下の層にあることが分かります。 当初は小魚が一面を埋め尽くした石板から、中央の魚を掘り出したのです。やみくもに掘り出したわけではなく、化石が入っている場所はある程度分かるのですが、何の化石が埋もれているのかは分かりませんし、場合によってはゴミのようなものかもしれません。偶然とはいえ、小魚の群れの中を突っ切って泳ぐような姿は素晴らしいとは思いませんか。
 どちらの魚にしても、それほど珍しい化石ではありませんが、私のお気に入りの化石の一つです。

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Halec sp. 白亜紀中期  レバノン

 美しい化石が産出するので有名なHajoula産の化石です。近縁の現生種はいません。  非常にきれいに細部まで残っている化石で、しかも対になっています。さらに意図的な加工も見えません。ゲットするしかありません。二倍の重さも我慢、我慢。

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LES ARTISTES DU LIVE GEORGE BARBIER 1929 PARIS

 バルビエの作品集です。ビリチスの歌、ミイラ物語などからのカラー図版が7点収録されている、とってもお得感のある作品集です。そしてNo502のエディション番号が付けられています。また、ちょっとうれしいことに、この作品集にはバルビエのポートレイトが収められています。これを描いたのはCharle Martinです。彼はバルビエと共にガゼット・デュ・ボン・トンにも作品を提供している、いわば同僚です。ネットでバルビエを検索すると、顔写真もあり、このポートレイトとよく似ていることが分かります。
 さて、本来の作品とこの本に収録されている作品とはどう違うのでしょうか。比較して見るには、私のコレクションはあまりに貧弱で、1点しか共通の物はありませんでした。それでもあえて言うなら、おそらく版は同じものを使用していると思いますが、この本の作品は全体的に色彩が淡い感じがします。それでも雰囲気は十分に伝わってきますので、「良し」としましょう。

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TABLEAU ENCYCLOPEDIQUE ET METHODIQUE   PARIS 1788

 久し振りに博物画をご紹介します。百科事典の魚類編です。この本は百科全書を編集するとともに啓蒙思想を広げ、フランス革命へと進むこととなったあの有名な「百科全書」。その百科全書の魚類編にも携わったボナテールが著した本です。
 パリの古書市で見つけましたが、背表紙も無く、バラバラになる寸前といったボロボロの状態でした。店主曰く、中身はコンプリートとだと言い張り、値段交渉に四苦八苦したのを覚えています。私の蔵書の中でもピカイチのボロ本ですがお気に入りの本でもあります。
 発行年を見て頂きたい。1788年。翌年はまさにフランス革命の年。革命を乗り越えて我家までたどり着いたのです。少々ボロでも大切にしてあげないと。

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Erlathia kingii  カンブリア紀中期 アメリカ ユタ州

 ちょっと間が空きましたが、三葉虫の仲間の最後です。
 今回は思い入れのある化石をご紹介したいと思います。40年以上前、初めての海外旅行でアメリカへ行った時に購入したものです。モニュメントバレーへ行く道沿いの掘っ立て小屋のような土産物屋で、無造作に置いてあったのを今でも覚えています。裏に1.5$、2.00$とマジックで書かれているのが懐かしい思い出です。私の化石収集のスタートと言えるでしょう。
 当時、化石などは博物館で見るものと思っていたので、実際に化石を、しかも三葉虫の化石をこんなに安く買えるとは思ってもいませんでした。しかし、モニュメントバレーはユタ州です。掘ればいくらでもあるのでしょうね。もしかしたら、土産物屋のオヤジが掘って来たものかもしれません。
 三葉虫の仲間の中でも古い時代に生息していたので、形も前回にご紹介したようなキテレツな形ではなく、いかにも三葉虫といった好きなタイプです。
 これで三葉虫のシリーズは終わりですが、三葉虫の仲間にはまだまだ奇妙な形のものなどたくさんいます。コレクションには最適な仲間だと思います。

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Walliserops trifurcatus ,Dicranurus sp. デボン紀前期 モロッコ、アメリカ

 三葉虫の仲間の第三弾です。奇怪な形はますますエスカレートしてきました。
 ワリセロプスは前回紹介のシコピゲに近い仲間です。もう一方のディクラヌルスの仲間には、特に奇怪な種類が多く含まれます。
 初めてこれらの化石を見たとき、奇怪さより、よく石の中から掘り出し、見事にクリーニングしたものだと感心したことを覚えています。そして、これらの化石の価格はクリーニング代だと納得した次第です。
 今となっては、奇妙な角や髭がどのような役目をしていたかはわかりませんが、彼らの生きて動いている姿を想像しながら、このような化石を眺めるのも楽しいひと時です。

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Odontochile sp. Psychopyge sp. デボン紀中期 モロッコ

 前回に引き続き三葉虫をご紹介します。モロッコは古生代の化石を多く産出することで有名で、三葉虫も例外ではありません。左側はまだオーソドックスな形態をしていますが、右側のシコピゲはかなりユニークな形になってきています。
 三葉虫は古生代を代表する生物で、示準化石とも呼ばれます。古生代の三億年余りという気の遠くなるような長い時代の中で繁栄し、多くの種に分化したにもかかわらず、恐竜時代の中生代を待たずして消えて行った愛らしい生物なのです。今や日本中が恐竜ブームですが、この愛すべき三葉虫にもスポットライトを当てて欲しいものです。

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Cambropallas telesto カンブリア紀 モロッコ

 三葉虫の化石です。多くの三葉虫の仲間は数センチ程度の小さいものが多い中で、この種は大きく、見栄えもします。
 三葉虫は古生代から3億年以上の長きに生息し、多くの種に分化し、その姿形も様々に変化していきました。ここでご紹介したCambropallasは初期の三葉虫で大きさこそ際立ちますが、極めてオーソドックスな姿をしています。時代が下るにつれ、その姿も様々に変化し、特異、珍奇というにふさわしい形態のものも出てきます。それらについては次の機会にご紹介したいと思っています。

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Eryon sp. ジュラ紀後期 ドイツ

 少し魚が続きましたので、甲殻類に登場してもらいました。
 化石の産地では最も有名な産地ではないかと思っている、ドイツ、ゾルンフォーフェン産のエビです。ゾルンフォーフェンが有名なのは始祖鳥の化石を産出したことでもありますが、ともかく産出する化石の多様性と完成度が高く、とても美しいことです。
 私も昔、当地を訪れ、化石博物館を見学しました。始祖鳥の化石はもちろんのこと、軟体動物のイカの化石まであり、柔らかい組織まで化石として残っているその素晴らしさに感激したことを覚えています。
 ついでに博物館で購入した館内パンフレットと関連書籍を紹介させて下さい。当地を訪れるために、いくつかのアクシデント、トラブルがあり、今では楽しい思い出ですが、そんな思いも入った書籍は今でも大事に本棚に収まっています。残念なことにドイツ語で読めませんが。
 ゾルンフォーフェンの駅前には化石ショップがあり、たくさんの化石を売っていました。しかし、どれも非常に高かった記憶があり、購入はしませんでした。したがってこの化石も日本で手に入れたものです。
 ゾルンフォーフェンは今も建築用石材を産出しており、広大な丘陵地で採掘がされています。この中にはどれだけの化石が含まれているのだろうか。想像しただけでワクワクしたのを覚えています。また、機会があればこのドイツの田舎町に行ってみたいと思います。

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DICHTERGRUSSE AUS DEM OSTEN 明治42年 東京 訳者 K.Florenz

 令和に改元され、その令和の出典とされる万葉集がブームになっているらしいですね。そこで、それにあやかり、何かないかと探したところ、ちりめん本の中にありました(^^)v
 「東からの詩的挨拶」とでも訳したらいいのでしょうか。この中で紹介されている詩歌の多くが万葉集の出典です。
 初版は明治27年で、ここで紹介するものは第12版です。残念ながらドイツ語版ですので読めません(>_<)
 このちりめん本は、昔話シリーズなどとは異なり、かなり分厚い本で、百ページもあります。そのせいか厚紙のカバーが付いています。そのカバーの意匠も扇子などをあしらい、なかなかおしゃれです。表紙も富士山と昇龍の姿を描き外国受けを狙ったデザインです。
 今回は山上憶良と浦島伝説の部分のページをご紹介します。

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THE GOBLIN SPIDER 明治32年 東京 訳者 ラフカジヲヘルン

 今回ご紹介するちりめん本は「化け蜘蛛」です。訳者は奥付けのままに表記しましたが、もちろんラフカディオハーン(小泉八雲)です。
 歌舞伎などで知られる土蜘蛛伝説と同じように妖怪退治のストーリーですが、体が半分の老婆など、初めて知る人物などが登場します。化け蜘蛛退治という話を、ラフカディオハーンが独自に脚色したものかもしれません。小泉八雲として多くの怪談話を書いていたことを考えるとあり得ることだと思います。

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THE SILLY JELLY-FISH  昭和30年 東京 チェンバレン訳

ちりめん本
 ちりめん本の「ちりめん」は「縮緬」、縮みの入った布のあの縮緬です。出会いはかなり以前で、このような本があることを知ったのも偶然の出会いから、このような本をちりめん本ということも後から知りました。
 その出会いは、京都の古書市のセリの会場で並んでいたのをふと手に取ったのが始まりでした。その縮緬紙の手触りに衝撃を受けたのを覚えています。まさに布の縮緬のごとく、柔らかく、腰のないその紙質は今までにない感触でした。どうしても欲しくなり、セリなどに参加する気もなかったのに、最後は古書店の方との二人の競り合いになってしまいました。しかし、専門家は相場を知っているので、当然のように無知な素人の私がゲット。古書店で購入するよりは多少安かったかもしれませんが、私としてみたら、思わぬ出費だったことを覚えています。  さて、このちりめん本、とても面白いのです。まず、内容が日本の昔話や説話などですが、なんと英語であったり、ドイツ語、フランス語などの外国語なのです。発行が明治期から昭和の初めにかけてのようですが、外国人向けのお土産用の本だったのです。いわゆる、日本の文化を紹介する本なのです。挿絵も多色刷り木版画でその挿絵だけでも十分に鑑賞的価値があると思います。
 後に石澤小枝子著の「ちりめん本のすべて」という本に出会い、ますますその魅力に取り付かれてしまいました。縮緬紙の制作の仕方や、出版社など、「ちりめん本」に興味のある方は一読されることをお勧めします。  その後、東京神田の古書街や京都、大阪の古書店で何冊か手に入れることができ、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の訳書版などもゲット。昔話シリーズや各言語版など、大きさも文庫本程度と小さいことなどコレクションにする要素を持つ魅力のある対象です。
皆様にも是非、ちりめん本のすばらしさを知っていただきたいと思います。ともかく触ってみなければこの本の良さは分かりません。日本の古文書や浮世絵などを扱っている古書店でちりめん本を探して、手に取って、ページをめくってください。その時初めてこの本の魅力、魔力が分かると思います。ちなみに、ちりめん本の中には平紙版と言って、縮緬紙ではない通常の紙のシリーズもあるのでご注意を。
 さて、説明が長くなりましたが、今回ご紹介するのは日本昔話から「海月」です。
 初版は明治20年3月に発行されていて、ここにご紹介するものは第17版です。さぞかし良く売れたのでしょう(^^ゞ  クラゲに何故骨が無いかのお話です。同じような話で亀の甲羅に何故ひび割れがあるのかというものもあります。私は亀派でクラゲは知りませんでした。出身地の違いなのでしょうか。
 この昔話シリーズの英訳は、もちろんストーリーが単純だということもありますが、英語が分かり易く、私にピッタリ\(^o^)/ ぜひ、中学の英語教材に使ってほしいと思います。
 明治期に出版されたちりめん本と比べると、紙の縮みが少し荒く品質的には低下しているのが分かります。昔の人は偉かった(^^)v
 今後、私のささやかなコレクションから、何冊かご紹介していきたいと思います。

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Heterothrissa signifer 白亜紀後期 レバノン

 レバノンのHjula産の化石です。対で売られていて、見た目も良かったので飛びついてしまいました。しかし、どうも左右の相違が気になります。おそらく、見栄えを良くするために、手を加えたのではないかと思います。
 まあ、こういうことはしばしばあることで、研究機関ではないので、厳格なことは言わず、許してあげますか。単独で見ると良いのですけど。しかし、Heterothrissaの特徴である、背鰭、腹鰭の大きいことはよく出ていると思います。

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Priscacara sp. & Diplomystus sp. 新生代 始新世 アメリカ

 グリーン川層の化石の最後です。
 中央がPriscacaraで、斜めになっている方がDiplomystusです。ここグリーン川層では一気に大量の土砂で魚たちが生き埋めになり、化石となったのでしょうか。群れごと化石になっていたり、このように種類の違う魚が同時に化石になっていたりというのが、珍しくありません。しかし、化石の配置のバランスが取れているというのはなかなかありません。これもDiplomystusが腹側を上にしているし、重ならなければもっといいし、偶然がもたらすだけに、なかなか難しいものですね。
 この化石は、今までと同様のグリーン川層の物ではあるのですが、母岩の色や材質が異なります。広大な地域ですので産出する地域により、岩質にも微妙な変化があるようです。

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Diplomystus sp. 新生代 始新世 アメリカ

 グリーン川層の化石、第三弾。最初にご紹介した化石と同じ仲間ですが、かなり小さく、種類が異なるのか、若い個体なのか不明です。頭部の形状がかなり違いますが、現生の魚でも成熟すると二次性徴で大きく形状が変わるものも少なくありません。とりあえずは、ここはその仲間ということにしておきます。
 化石の周囲が削られて、浮き出ているように加工されているのは、あざとい感じもしますが、ご愛嬌ということにしておきましょう。

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Phareodus encaustus 新生代 始新世 アメリカ

 前回に引き続き、グリーン川層の化石の第二弾です。
  Phareodusには二種類が知られていますが、レントゲン写真を見ているような美しい化石なので、私でも種類が特定できました。
 ご覧のように、絵にかいたような美しい化石ですが、産地によってはまさに描いている化石もあります。欠損部分を描いているのならまだしも、形良く、より優雅な姿に描いているものまであります。化石ではなく、絵画です。何処の国とは言いませんが、化石を購入する際には気を付けましょう。しかし、グリーン川層の化石に関してはその心配はないので、本当に状態のいいものを選びましょう。アメリカは信用して大丈夫ですよ。

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Diplomystus dentatus 新生代 始新世 アメリカ

 ワイオミング、コロラド、ユタの3州の境界を流れるグリーン川周辺の地層からは多くの魚類を中心とする化石が産出します。保存状態も良く、多産することから価格もお手頃で、化石入門にはうってつけの産地です。ちなみに、始新世は3400万年~5600万年前です。
 さて、今回の化石Diplomystusは大きくなることが知られていて、この化石でも魚の全長で50㎝近くあり、母岩では70㎝を越えます。さすがにこれは手持ちでは持ち帰れず、業者に委託したのを覚えています。現生のニシンなどに近い仲間のようですが、体型的にはあまり似ていませんね。
 全体に骨格も綺麗に残っていて見栄えもするので、我家の玄関に鎮座しています。
 グリーン川層の化石を今後も何点か紹介していきたいと思いますので、楽しみにしていてください。

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Scyphocrinites elegans シルル紀  モロッコ

 ウミユリの化石です。シルル紀というと4億年余り前になります。しかも、現生にも彼らの仲間は生き続けているのですから恐れ入ります。
 非常に美しく、鑑賞に堪える化石で、一目で気に入ったのですが、ともかく重い。価格ではなく重さで思案したのを覚えています。なにしろ、9㎏余りあるのです。私が手荷物で持ち帰った最大重量です。それだけにいつ見ても、その美しさに魅了されます。

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蘇州桃花塢木刻年画選  1986  蘇州

 今月2月16日は旧正月、春節です。日本でも横浜や神戸など中華街では賑やかに祝いますが、本場中国では、年間を通して最大のお祝い事ではないでしょうか。その春節に、一年の幸せを祈って各家庭が木戸口や室内に貼るのが年画です。
 様々な縁起の良い図柄が木版で刷られています。ここでは伝統的な図柄をご紹介しますが、この他にも現代風の物もあります。種類も多く、かつ色彩も鮮やかでコレクション魂に触れてしまいました(^^)v
 上段は趙公明(黒髭)、燃燈道人(白髭)で平穏無事で蓄財を願う神像。下段はネズミを捕らえる猫と害虫を食べるニワトリ。安泰、豊作を願うものです。それぞれ、対になっているのですが今回は省略しました(^^ゞ
 日本でも門松や、鏡餅、しめ飾りなどお正月を祝う様々なものがありますが、このような伝統、風習は残していきたいものですね(^^♪

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Seriola prisca  始新世  イタリア

 ブリの仲間の化石です。30センチ余りある大きなもので、母岩は50センチ近くあり、手持ちで帰るには勇気のいる重量、サイズです。しかし、きれいに残されたフォルム、見るからにブリではないですか。頑張って持ち帰ったのを今でも覚えています。
 出世魚であるブリは、年末にかけて日本海で水揚げされるのが風物詩となっています。今の時期にふさわしいかとご紹介するしだいです。

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THE FISHES OF THE BRITISH ISLANDS  LONDON (1877~78)

 久しぶりに博物画をご紹介したいと思います(^^)v
 J.Couch(1789~1870)によって1862年から著された「英国の魚類誌」4巻です。ここでご紹介するのは、再版ですが、多色刷石版画の図版は美しく、装丁も青地に金箔で魚が型押しされていて私の愛蔵書の一つです(^^♪
 以前ご紹介した「英国淡水魚図譜」もこの本の影響を受けていると思われ、図版のそのままの流用こそありませんが、よく似た魚が出てきます(^^ゞ これらの本を眺めている時こそ至福の時と言えるかな~(^^♪

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Aipichthys sp. 白亜紀後期 レバノン

 化石は地層の間に挟まれた生物などが石化したものなので、地層がきれいに層状になっていると、中に入っている化石も層の上下に分かれて剥がれる場合があります。
 今回ご紹介するのも、そのようなもので対になっている化石です。産地のレバノンは、美しい化石が出る地域として有名ですが、なかなか揃って美しいものは少なく、そんな中で、比較的小さな化石ですが、お気に入りの一品です。

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Peipiaosteus Enchodus 白亜紀後期  レバノン

 原始的なサケ目の魚。特徴はなんと言ってもその長い牙。南米にカショーロという牙魚が生息していますが、それを彷彿させる迫力です。それに加え、背鰭や尾鰭も大きくてなんとカッコイイ魚ではありませんか。

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Peipiaosteus 白亜紀前期(1億2400万年前) 中国 遼寧省

 チョウザメ目に属する魚で、もちろん現生種はいません。頭部はつぶれていてよくわかりませんが、尾部は尾柄部分が尾びれの上端へ伸びていて、現在のチョウザメに似ています。
 母岩(化石の入っている石)が60㎝近くあるので、かさばるし、重いし持って帰るのが大変だった記憶だけが鮮明に残る化石です。

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Chancelloria pentacta カンブリア紀 アメリカ ユタ州

 栄えある初回を飾るのは、カンセロリアです。初めて見たときはこの色彩に驚き、着色されたものかと疑いましたが、どうも違いそうだし、カンブリア紀とのラベルでゲット。
 カンブリア紀の化石は破片のようなものがほとんどで、なかなか全体像が分かる化石には出会いません。ウミサボテンのような形がわかり、星型の骨片?もはっきり確認でき、しかもこの色彩のグラデーション。私のコレクション基準にぴったりです。

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A History of the Bird of Europe London 1896

 今月はJ.G.Keulemans(1842~1912)の描く鳥たちをご紹介したいと思います。
 鳥人グールドの後を継ぐ鳥類を得意とする画家です(^^♪ 石版画でもあるのですが、その柔らかいタッチと愛らしい鳥たちは当時も人気の鳥画家だったようです(^^)
 グールド同様に英国風の背景を書き込む手法は、個人的にも好きな図版です(^^ゞ フランスのように鳥のみを主体に描く手法に比べ、装飾的にも優れていると思うのは私だけでしょうか(^^♪

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FABLES DE FLORIAN PARIS 1842

 先月に続き、ガヴァルニを紹介しようと本棚を物色していたのですが、適当なものが見つからず、この本が出てきたので、急遽こちらをご紹介したいと思います(^^ゞ
 私の好きな、J.J.GRANDVILLEが挿絵を描いた「フロリアンの寓話」です(^^♪ 私の持っている本の中では珍しく、表紙の装丁も美しく、小口も三方金です\(^o^)/
 擬人化された動物たちは、さすがグランヴィルと言わしめる出来ばえだと思います。私はやっぱりグランヴィル派かな(^^)

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VOYAGES DE GULLIVER PARIS 1862

 今回ご紹介するのは、皆さんもよくご存知の「ガリバー旅行記」です。そして、その挿絵をGAVARNI(1804~1866)が描いています(^^)v ガヴァルニといえば当時はグランヴィルと双璧の巨匠です。グランヴィルの作品は何度かご紹介いたしましたが、ガヴァルニは初めてです(^^ゞ 題材がシリアスなものが多いため、なかなかご紹介する機会がありませんでしたm(__)m 
 ガリバー旅行記は、もちろん私も子供のころに絵本で読んだ記憶はありますが、小人の国や巨人の国への旅行記くらいで、きちんと最後までの航海記を読んだ記憶はありません。
 この挿絵を見ながら、小人の国がリリパッドということや、空に浮かぶ国がラピュタということなどを知りました(^^ゞ なるほど、出典はここからなんだぁ~( ..)φメモメモ/

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AN INTRODUCTION TO THE STADY OF CONCHOLOGY LONDON 1815

 今回ご紹介するのは、S.BROOKESによって著された貝類図譜です。
 コレクションの王道の一つである貝類を美しくまとめた図譜です。200年も前に出版されたものとは思えないほど図版も美しく、本の状態も良好、私の蔵書では珍しい一冊です(^^ゞ 彩色図版が9枚しかないのが残念ですが、それ故に私の手元にやって来た訳です(^^)v
 潮干狩りのシーズンです。アサリの酒蒸しでも食べたくなりませんか\(^o^)/

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EUROPEAN BUTTERFLIES AND MOTHS LONDON 1882

 春になると、蝶屋さんと呼ばれる蝶マニアの人々の忙しい日々が始まります(^^ゞ 私も一昔前はギフチョウを追って関西周辺でしたがウロチョロしていました(^^)v
 今回ご紹介するのはW.F.KIRBYによって著された「ヨーロッパのチョウとガ」から春のチョウを選んでみました。
 一枚の図に幼虫、さなぎ、そして成虫のチョウを配し、絵画的な仕上がりになっているところは英国的です。
 一応、手彩色なのですが銅版画ではなく、石版画なのでお手頃価格、私にも手の届くものでした(^^ゞ

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日本水産動植物図集 上,下編 昭和6,7年

 先月お約束したように、伊藤熊太郎の作品をご紹介したいと思います。大日本水産会から出版された、有用水産動植物の図版集です。今回ご紹介するのは昭和10年に発行された改訂版からです(^^ゞ
 名前が示すように、日本の水産物、鯨類から魚類はもとより貝類、イカ、タコの仲間、海藻、サンゴに至る六百余りの動植物を掲載しています\(^o^)/
 そしてその全ての絵を熊太郎が描いており、驚くべきことに、前回ご紹介したものと同種の物も流用することなく描き直していることですm(__)m  以前のものが劣っているとは思えませんし、私のような、いかに手を抜くかを考えている者にとっては頭が下がる思いです(^^ゞ
 それでは我国が誇れる博物画家の作品をお楽しみ下さい。

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日本魚介図譜 昭和4年~5年

 今月は久し振りに日本の作品からご紹介したいと思います(^^)
 この本自体も比較的珍しい本だと思いますが、ご紹介したいのはこの本の魚介類を描いた画家なのです。伊藤熊太郎、明治30年ごろまで農商務省水産調査所で水産動植物の絵を描いていた人物と、この本の序文に紹介されています。著者である動物学者、田子勝弥が彼の描いた画図が素晴らしいので、それらを紹介するためにこの本を出しているのです。
 面白いとは思いませんか?ふつうは魚介類を紹介する本のために画家に依頼して絵をかいてもらうのに、その画家の絵を紹介するために魚介類の本を出しているのです。
 挿絵画家の地位の確立がしていない中でのこの本の意味は、私は貴重な本だと思っています(^^♪ 確かに素晴らしい絵だと思いますし、皆さんもそう思いませんか(^^)v
 今月と来月にわたって、伊藤熊太郎の作品を見て行きたいと思います。

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DESCRIPTION DE L' EGYPTE (1809~22)

 今年もよろしくお願いいたします。
 年の初めに当たり、大作からいきたいと思います。ナポレオンのエジプト誌です。エジプト誌を取り上げるのは今回で三度目かと思います。ネタ切れか、などと言わずにお付き合いくださいm(__)m それだけエジプト誌はご紹介したい図版があるのです(^^)v
 以前にご紹介した魚などの着色された図版は、後世の着色ですが、今回のレリーフはオリジナルの彩色です。また。神殿の内部の様子を表す図は、砂に埋もれた状態や、光の差し込む情景が何とも言えない雰囲気を醸し出しているとは思いませんか?(^^♪
 古書店の親父に表紙があったので「ちょうだい」と言ったら、強欲親父の割にはすんなりくれました(^^)v よっぽど、ぼったくられていたのかも(^^ゞ
 まだまだご紹介したい図版はあるのですが、またの機会にm(__)m

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Oekonomische Naturgeschichte Der Fische Deutschlands 1785~1795 Berlin, M. E. BLOCH

 12月と1月は年の終わりと、始まり。いつもと違って年末年始に相応しいもので、終わり、始まりたいと思っています。しかし、種切れ(T_T)
 先月に続き、私の大好きシリーズです(^^♪ 
 以前(2011.10)にもご紹介したので、詳しい説明は割愛させていただきます(^^ゞ ただ、ブロッホの図版を少しでも多く見て頂きたく、ご紹介するしだいです。
 しかし、良いとは思いませんか? 200年あまり前に作られたとはとても思えない出来ばえに、魚好きでなくとも、その良さは分かっていただけると思います(^^)v
 本年もお付き合いして頂き、有難うございました。皆様、良いお年をお迎えくださいm(__)m

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出典不詳

今月は私の好きな図版であるにも関わらず、全く出典の判明しない図版をご紹介したいと思います(^^ゞ
何故好きかと言いますと、一尾ナマズが混じっていますが、コイ科の魚であること。絵が精密であること。そして何より図版が大きい(^^)v そのせいで中央に折れ目が見えるように二つ折りの図版です(T_T) 開くと35×55㎝のほぼB3サイズの大きさです(^^♪
アムステルダムのダム広場近くの書店で、二つ折りの状態で、色々な図版の間に挟まれているこの二点を偶然見つけました(^^)v それ以後、類似した図版にはいまだ出会っていません。まさに掘り出し物でした(^^)v

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LES ROBAIYAT 1957 PARIS

秋といえば、食欲ですか、紅葉狩りの旅行ですか、やっぱり夜長の読書でしょ(^^♪ 
今回ご紹介するのは、G.Minacheの図版です。O.Khayyamのアラビヤ詩集?の挿絵です。官能的な図柄に魅せられて図版だけを購入しましたが、長らく出典不詳でした(T_T) しかし、ひょんなことから作者がMinacheと分かり、ネットで出典も判明しました(^^)v
 今やネット社会で、本当に便利になりましたが、旧来の活字やラジオ、テレビのメディアも思いもかけない活路を見出してくれると思う今日この頃です\(^o^)/
秋の夜長、アラビアンナイトでも読み返してみては?

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EUROPEAN BUTTERFLIES AND MOTHS 1882 LONDON

今月は、シャングリラのコーナーでメンガタスズメを取り上げましたので、こちらのコーナーでも急遽、メンガタスズメの図版を探しました(^^ゞ
W. F. KIRBY(1844~1912)によって著された「ヨーロッパのチョウとガ」からメンガタスズメと同じスズメガの仲間の図版を2枚。中央の図版はD’Orbingyの「万有博物事典」からです(^^)v
ヨーロッパに分布するものは、ヨーロッパメンガタスズメというアジアに分布するものとは別種とされていますが、よく似ています。
大型で、しかも特徴的なドクロマークがあることから、博物事典にもよく取り上げられます。
しかし、幼虫はナスやトマトの害虫で、ドクロマークに恥じない悪行をするようです(^^ゞ

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LE BAIN AUX TEMPS ANCIENS 1900 Paris

連日の猛暑日。皆様いかがお過ごしですか。
一昨年、ご紹介した「MODERNES」とのセット本です(^^)v 機会があればご紹介すると言っておきながら、2年も経ってしまいました(^^ゞ 暑い時期になると思い出すといったところでしょうか。
内容的にはコスチュームや背景が古典的というだけで、前作とあまり変わりばえしないのですがその辺はご容赦を(^^ゞ
まだまだ、残暑厳しい様です。お身体ご自愛ください。

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OEUVRES DU COMTE DE LACEPEDE 1826 PARIS 他

最近とみに、クジラやイルカに関して日本への風当たりが厳しくなる一方ですが、日本人ほど鯨類に対して親しみを持っている国民は少ないのではないかと、私は思っているのですが(^^)v
それはさておき、夏休み、ホエールウォッチングを楽しむ方たちもいるかと思い、今月は鯨を取り上げてみました(^^♪
鯨といえば、あのビュフォン大先生の成し遂げられなかった鯨類、爬虫類、魚類を補完したラセペード先生を外すわけにはいきません。とりあえず、その中から2点、出典不明ですが1点をご紹介したいと思います。
左より、イッカク、マッコウクジラ、右の上はナガスクジラ、下がホッキョククジラです。イッカクは名前の通りオスは一本の角(歯)が伸びるのですが、稀に2本伸びることがあります。さすが、ラセペード先生、頭骨を含め図示しています\(^o^)/

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Traite des arbres Frutier 1768

去年の5月にデュアメルの再販本をご紹介しましたが、今回はその元本です。
黄色い縁取りは、当時のお決まりのようで、ビュフォン大先生の図譜でも初期の図版(2012.1.16参照)には同様の縁取りが見られます(^^)
絵はM.Basseporteなどの人々によって描かれています。前回ご紹介したルドゥーテの絵と比較してみると明らかにルドゥーテの方が優れているように見えますが、どちらが好きかといえば、私は今回の方が好みかな~(^^)v
博物画として見るか、装飾品としての絵画と見るかによりますが、皆様はどちらがお好みですか?

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Manuscript 19世紀頃

最近、中東関係は非常にデリケートな状況ですが、そういえばこんなものがあったと思い出したのが、今回の断片です(^^ゞ
パリの古書店で見つけたもので、テヘラン、イラン、19世紀などとメモ書きのような説明しかなく、出典はもちろん詳細は全く不明です。金彩が美しいのと、中央の物は書体もちょっと変わっているのと、カラフルな色使いも気に入ってゲット(^^)v
豪華な仕上げからおそらくコーランの一節ではないかと想像されますが、英語も満足に読めないのに、ましてアラビア語など読めるはずもなく…(>_<)
しかし、美しいとは思いませんか? (^^♪

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Manuscript 16世紀頃

今月はちょっと趣向を変えまして、マニュスクリプトをご紹介したいと思います。マニュスクリプトとは手稿、写本と訳されますが、要は手書きという意味です(^^ゞ
印刷技術の発達する以前は、本は一ページを丸ごと版に起こして刷るか、手書きしかありませんでした。そして、当時は紙も貴重で、羊の皮すなわち羊皮紙に書いていました。
羊皮紙という名前は知っていましたが、実際手に取ったことはなく、一度見てみたいと思っていて、手に入れたのが、今回ご紹介するマニュスクリプトの時祷書の断片です。
時祷書というのは、 キリスト教における、 日々の祈り(朝や食事の前など)や、 季節ごとの決まりなどを書いたもので、 各家庭の必携の書物であったわけです。 王侯貴族から市民まで、 その身分に相応しい時祷書を作らせ持っていたのです\(^o^)/
私の持っているものは、もちろん市民が持っていたものの一ページでしょうが、しっかりとしたロウ紙のような羊皮紙に金彩も施された愛らしい一枚だとは思いませんか(^^)v

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DES OISEAUX DE PARADIS 1806 Paris

F. Levaillant (1753?1824) によって著された極楽鳥図譜からの一枚が左のカタカケフウチョウです。他の2枚は出典不明ですが同時代の作品です。
博物画は書物の歴史に伴い、手描き、木版、銅版、石版、そして彩色方法にも手彩色から始まり、進歩してきました。本は大量印刷を目指すので、その挿絵である博物画もより簡便に形状、彩色を表現できるように発達してきました。しかし、その形状と彩色とを表現する技術革新の進歩にギャップが生じ、それがちょうどこの時期になっていたのです(^^ゞ
銅版により彩色も同時に行う、多彩色銅版画の登場です(^^)v しかし、言うは易し行うは難しで大変な技術が必要で、手彩色の方がむしろ安易、廉価になってしまいました(>_<)
しかし、その出来栄えはまさに芸術作品といっても過言ではない魅惑的な図版となりました\(^o^)/ 数も少ないようでなかなか出会えませんが、出会えてもお高いのです(T_T)
小さい写真からでは、その素晴らしさがなかなか伝わり難いとは思いますが、鳥が止まっている木や地面が彩色銅版画であることが分かり易いと思います(^^)v

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DESCRIPTION DE L' EGYPTE(1809~22)

ナポレオンが制作したエジプト誌です。以前にもご紹介したので、その本の凄さは省略します(^^ゞ
この本を手に入れようなどと、大胆なことは言いませんが、魚屋としてはせめて魚類の図版だけでも集めたいと思うのは致し方ありません(>_<)
魚類の図版は全部で27図。鳥類のような人気図版は見ることも稀ですが、魚はその点マイナーなため、ちょこちょこお目にかかれます。半分くらいは難なく集められたのですが、その先はなかなか大変です(T_T) 後から彩色されているのは致し方ないとしても、あまりに下品な彩色だとさすがに食指が動きません(^^ゞ 果たしてコンプリート出来るか、寿命との戦いですね(^^)v

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John Gould (1804~1881)

明けましておめでとうございます。
2015年の最初はビュフォン大先生に頼って羊にしようかとも思っていましたが、皆様の期待をあえて裏切って、豪華お宝開陳、鳥人グールドの図版で始めたいと思います(^^)v
バラと言ったらルドゥーテというように、鳥といったらグールドですよね~(^^♪ 彼については多くの著作もあり、ネットでも調べられますので割愛しますが、彼の鳥類図譜は全てが豪華絢爛、私のような下々の者が手にするような代物ではありませんm(__)m
「ジョン・グールド鳥類図譜総覧」という、グールドの図版を検索したり、当時の鳥名から今日の和名を調べたりするのに非常に重宝な本があります。私も利用させて頂いていますが、この本を作られたのが今上天皇の皇女、紀宮内親王(黒田清子)であらせられますm(__)m> このことをもってしても、グールドは凄い(^^)v
今回ご紹介するのは「英国の鳥類」(1862~73)からハヤブサ、「ニューギニアの鳥類」(1875~88)からカタカケフウチョウ、フキナガシオウチュウの三点です。
グールドの図版はロンドンの某古書店へ行けば簡単に手に入りますが、とってもお高いです(@_@)
 少しでも手頃なお値段でと思うと出会うのは至難の業です(^^ゞ その努力は買ってやってください(^^) 本年もよろしくお願いいたします!(^^)!

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LES ETOIES 1849 Paris

12月に入ると、街はクリスマス一色。キリスト生誕のもとへ星に導かれた東方の三博士が赴くということからでしょうか、星飾りがクリスマスツリーの尖端はもとより、ありとあらゆるところに溢れます(^^ゞ その星々を見ると私はこの本を思い出します。
J.J.グランヴィルによる「エトワール(星)」です。グランヴィルは妻や子供たちを次々と病で亡くし、その妻を偲んで「花の幻想」を描いたことは以前ご紹介しました。ここでは彼女たちを星になぞらえているのでしょう。その背景を知り、描かれた星たちの妖精をみると胸が熱くなるのは私だけでしょうか(T_T)
グランヴィル晩年の著作で、出版は彼が彼女たちのもとへ旅立った後でした(T_T)/~~~

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HIPPOCRATE 1932 Paris

ヒポクラテス、医学の父と言われるギリシャ時代の医学者の医術を紹介する本です。
Kuhnによる危なげな挿絵はポショワール技法により、何とか一線を越えずに済んだように思えるのは私だけでしょうか(^^ゞ
バラで数点は持っていたのですが、ロンドンの古書店で4巻セットに出会ってしまいました(>_<) しかも、ジャンク品ではありません(T_T) この本は2335セット制作されたとされていますが、このセットは1177と印字されています。なんといい番号ではありませんか(^^ゞ
てなわけで我が書棚でジャンクに挟まれて薄茶色の背表紙が際立っています(^^)v 寒くなってきました、風邪などひかないようにして下さい(^^)

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出典不詳 19世紀? Paris ?

秋と言えば、食欲、芸術ですが、やはり今月は体育の日もあることですし、スポーツの秋ということで、そのような図版を探してみたのですが、このようなものになってしまいましたm(__)m
果たしてこれがスポーツかとお叱りを受けそうですが、ここは広いお心で(^^ゞ>
実はこの図版、ロンドンの古書店で見つけたのですが、何の注釈もなくファイルの中に眠っていました。40×55㎝位とかなり大きな図版で全体にフォキシーと呼ばれる茶色の点やシミがあり、状態は決して良くないにもかかわらず、いい値段を付けやがって(>_<)
このような骨格図や解剖図は知ってはいてもなかなか出会えず、とりあえずゲットしたものです(^^) 骨の説明文がフランス語なのでパリで出版されたものと想像するだけで、まったくの不詳。紙質やサイズなどから、もしかしたら18世紀まで遡るかも(^^)v>
ちょっと珍しいかな、と思って出してみました(^^)v

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La Double Maitresse 1928 Paris

Henri de Regnierの小説に、G.Barbierが挿絵を描きました。
「二重の愛人」、さしずめダブル不倫とでも訳したらよいのでしょうか。タイトルのようにコケティシュなポショワールによる挿絵はさすがバルビエ\(^o^)/
1ページ物の図版は5枚しかありませんが、数多くの小さなカットがあり、とってもお得な買い物だったと、内容は読めませんが納得の一冊でした(^^ゞ
秋の夜長に左の図のように、思索にふける今日この頃ですm(__)m

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CARMEN 1935 Paris

真夏には情熱的なカルメンを(^^)v
カルメンといえばG.ビゼー作曲のオペラ「カルメン」が真っ先に思い出されますが、これはその原作です。フランスの作家P.メリメによって書かれ、挿絵はA.コローによるもので、ポショワールではなく多色石版画です。限定2000部、といううたい文句に引っかかって買ってしまいましたが、よく考えてみれば2千って結構多いいですよね(>_<)
コローという画家は官能的な絵を多く描いていますが、卑猥さがないのが良いところであり、残念なところでもある。と思うのは私だけでしょうかm(__)m
皆様いかが思われますか(^^ゞ

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Dictionnaire universel d’histoire naturelle 1838~49 Paris

梅雨に入り、鬱陶しい日が続いていますが、今年は何故かメリハリの効いた空模様のようですね(^^ゞ
梅雨といえばカエルということで、以前ご紹介したH.R.Schinzからカエルの図版を選んでみました(^^♪ この本の図版は、個人的にはとても好きで、何かというと頼りにしてしまいます(^^)v
 我がシャングリラもカエル軍団に乗っ取られそうですが、くしくも両方でカエルの話題となってしまいましたm(__)m

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Nouveau Duhamel 1800~19 Paris

18世紀に出版されたデュアメルの「フランスの喬木と灌木についての概論」の再販本で、「新デュアメル」と呼ばれるものからの出典です。
一般的に再販本の図版は手抜きになるのが常ですが、これはその例外の一つです(^^)v
 なんとルドゥーテが描いているのです。バラの画家としてあまりに有名ですが、花以外にも果物や一般の植物にも多くの作品を残しています。バラの図版はさすがにお高く(>_<)
 私には果物が精一杯です(^^ゞ
時節柄、サクランボを取り上げてみました。

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西洋草花図譜 大正6年(1917) 京都

季節はまさに春爛漫です。今回は和風で春をお楽しみして頂きたいと思います。
和風と言いながら、西洋花とは、とお叱りを頂きそうですが、あくまでも木版画の和風の様式とのご理解を(^^ゞ
谷上廣南(1879~1928)により著された本書は、春の部2巻、夏の部2巻、秋冬の部1巻の5冊によって構成されています。木版画の花々も色鮮やかで美しいのですが、百年近く前にこのような花がすでに日本に紹介されていたのかと驚かされる花たちも登場します。
今回は春の花ということで、春の部よりの代表花をご紹介しましたが、機会があればまた珍しい花たちもご紹介できるかと思います(^^♪

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BILDER-ATRAS 1864 WIEN

今月はオーストリア人のL.J.FITZINGER(1802~1884)が著した博物誌の中の鳥類図鑑からの出典です。
かなり分厚く大きな本でロンドンの古書店で見せられました。銅板手彩色ならば手の出ない価格だったと思いますが、幸い彩色石版でした(^^)v しかも、一部の図版にはいたずら書きがあり、図版の破れなど、私の得意のジャンク品なのでゲット(^^♪ ジャンク品だから私に見せたのかも(>_<)
この図鑑のお気に入りは、ご紹介するドードーの図版があることです。私はこの本の図版編しか持っていないので、本文を読んでいませんが、著者はおそらくまだドードーは生存していると思って載せているような気がしています(^^ゞ 現存の鳥と同様に描かれているドードーの姿がちょっとうれしいのです!(^^)!
ところで、このドードーはマダガスカル島の東、インド洋に浮かぶモーリシャス諸島に生息していました。そしてそのマダガスカルとアフリカ大陸との間にはコモロ諸島、そうあのシーラカンスが生息しているところです。そしてその北にはアルダブラ島があり、ガラパゴスと双璧のゾウガメが生息しているのです(@_@) そしてその中心のマダガスカルにはかつて巨鳥エピオルニスが生息し、今でもキツネザルやカメレオンの王国なのです。やっぱりマダガスカルは行っておかないと( ..)φメモメモ

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鳥類写生図譜 第1~4集 昭和3~13年

2月に入り、太平洋岸にも思わぬ積雪、寒さは一向に緩む気配はありません。
しかし、その一方、各地で盆梅展のニュースも聞かれるようになりました。そこで以前にもこの欄でご紹介した鳥類写生図譜より、早春の花と鳥の図版を選んでみました(^^)v
左より、ジョウビタキとマンサク、ウグイスと紅梅、そしてオオルリとコブシです。このような芸術的かつ学術的にも評価に値する図譜がわが国でも出版されていたのです。あまり知られていない図譜ですが、日本の誇れる鳥類図鑑の一つとしてお見知りおきくださいm(__)m

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一般と個別の博物誌 Buffon 1833、1839

明けましておめでとうございますm(__)m
今年最初のご紹介は、午年でもあるので馬を探してみました。正直、馬の図版を特に集めたという記憶もないので、いざ探そうとすると、困ってしまいましたが、ビュフォン大先生の大図鑑を思い出し、探し出しました(^^)v
この図鑑、とても面白くて、動物の並べる順番がとてもユニークなのです。現代の図鑑は、下等なものから、高等な生物へと並んでいますが、ビュフォン大先生は人との係わりの大きい順に並べました。そして、その最初の動物がウマなのです。当時は馬車にしろ、畑の耕作にしろ、戦いにしろ、ウマは最も重要な動物と考えられていたようです。
現在の図鑑の並び方に慣れていると、家畜は前半部分に出てきますが、コウモリなどは探すのに苦労します(>_<)

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蘭花譜 昭和21年

早いもので、今年も最後のご紹介となりました。最後は我が国の図版でと思い、この華やかな版画を選んでみました。
大阪出身の実業家、加賀正太郎によって制作されたランの図譜です。彼はヨーロッパ留学の際、立ち寄ったロンドンの王立植物園キューガーデンのランに魅了され、帰国後、秀吉と光秀の天下分け目の決戦の地である天王山の麓に大山崎山荘を作り、ランの栽培に熱中します。そして制作されたのがこの図譜です。我が国古来の浮世絵の技法である木版画で西洋の図譜に負けぬ素晴らしい図版を製作しました\(^o^)/
大山崎山荘は現在も美術館として公開され、当時の面影を残しています。興味のある方はぜひお訪ねになることをお勧めします(^^)v

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Levasseur Illustrated Atlas 1856 Paris

今月も地図です(^^ゞ
フランスの地理学者V. Levasseurによって制作されたフランス及びフランスの植民地の地図です。この地図の面白いのは周囲に描かれた絵や統計などの資料です。その地域の風俗や産物が描かれていて旅情を誘われます\(^o^)/
また、人口などの表も載せられていて信憑性はともかく興味深いものです。ちなみに、中央のアジアの地図の右横の表によると当時の日本の人口は三千万人となっています(^^)v

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TARTARIE CHINOISE, ROY,DE COREE ET ISLES DU JAPON

今月は趣向を変えまして古地図を取り上げてみました。地図も好きだったりして(^^ゞ
博物画を物色する片手間に日本が描かれている地図を集めてみました。しかし、世界地図の中の日本はあまりに小さい。アジア、特に東南アジアはヨーロッパではあまり興味の対象ではないようで、日本が比較的大きく載っている地図にはなかなか出会えません(T_T)
それと、地図って意外とお高いのです(T_T)
日本をちょっと大きくしてみましたので、世界での日本の変遷が少しでもお分かりいただけたら幸いです。特に北海道(蝦夷、エゾ)の表記の変遷は個人的には大好きです(^^)v

年不詳? Paris(左) ASIE  1761 Paris(中)  ASIA 1850 London?(右)

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FISHERIES GAME AND FOREST COMMISSION 1898,1900 New York

しばらく本筋から離れていたようですので、再び博物画に戻りたいと思います(^^ゞ
今回ご紹介するのは、ヨーロッパを離れてアメリカからです。ニューヨーク州の遊猟と森林委員会の年次報告書というちょっと変わった本の中から挿絵です。
S.F.Dentonによる魚の挿絵は博物画的には正確性にはやや難がありますが、魚好きにはたまらない魅力があります(^^)v
印刷方法がクロモリトグラフという大量印刷方式になってしまったことが残念ですが、報告書という性格から致し方ないですね(^^ゞ しかし、魚屋には押さえておきたい図版ですね(^^)

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Caprices Decoratifs Algues et Poissons 1884 Paris

アールヌーボーの装飾画をご紹介したいと思います。画家はJ Habert Dys 。
金彩を多用し、華やかな画面に魚を配し、アールヌーボーのお手本のような様式を踏襲しています。博物画とは違って、必ずしも魚に関しては精確性は欠けますが魚屋としてはとりあえずゲットしておいてもいいかな(^^ゞ くらいの気持ちで購入しました。しかし、年をとってくるとこのような絵が味わい深く良く思えてきました。
人の好みなど変わっていくものです。コレクションをするときに手当たり次第というのも、時には良かったと思うこともあります。まあ後悔のほうが多いのですがm(__)m

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LE BAIN AUX TENPS MODERNES 1900 Paris

今年は例年より早く梅雨明けとなり、その後猛暑に見舞われ、長い夏になりそうです。
せめて、絵からだけでも涼しさが味わえて頂けたらと思い選んでみました\(^o^)/
このポショワールを描いたのはMaggy Morier(1887~1965)。コケティシュな女性を描くアールデコの画家です。2冊組みの本でパリの古本市で見つけて、水浴する裸婦に目がくらんでゲットしてしまいました(^^ゞ 洗練された画風とは言えませんが、ポショワールらしさが結構気に入っています(^^)v で今回ご紹介したものは近代編、もう1冊は古代編。機会がありましたら、またご紹介したいと思います。

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LE JOURNAL DES DAMES ET DES DEMOISELLES 1850~1879 Paris

今月もファッション誌からの挿絵です。先月のガゼット・デュ・ボン・トン誌が今から約100年前、今回の雑誌はさらに50年ほど前になります。この50年の変化はその後の100年の変化に比べて驚異的な変化だとは思いませんか(@_@;)
この50年間にフランスに果して何があったのでしょうか。産業革命の波がやってきたことや、普仏戦争の敗北により帝政から共和制への移行など要因は色々あったのでしょう。専門家ではないのではっきりしたことは言えませんが、ひとつ言えることは、現代ほどめまぐるしく変化する時代はないと思っていましたが、過去にも劇的な変化があったことをこのようなファッションの変化からも察することが出来るのですね\(^o^)/
そういえば、日本でも明治維新はきっとそうだったのでしょうね。
ちなみに、これらはJ.Davidによる版で左より1858、59、62,62年の発行です。

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GAZETTE DU BON TON 1922 PARIS

博物画が続きましたので、少し目先を変えてフランスのファッション誌を取り上げたいと思います。
ガゼット・デュ・ボン・トン誌は1912年から1925年まで発行されたファッション誌で、当時の最新ファッションを、これまた当時の代表的なイラストレイターたちによって描かれた挿絵で芸術的な雑誌として有名でした。しかし、この手の分野には素人の魚屋としては全く知りませんでした(>_<)
馬鹿の一つ覚えでバルビエを探している時、この雑誌に出会いました(^^ゞ 雑誌といっても定期刊行ではなく年によって発行部数はかなり変動があり、私が手に入れた1922年は10冊が刊行され、多い年でした。いくつか挿絵が欠けているが10刊揃いというタヌキ親爺に騙されて購入しましたが、バルビエなど価値のありそうな絵ばかり5点ほど欠けていました。また騙された(T_T) しかし、この雑誌から多くの画家を知りそれなりの収穫はありました(*^^)v
左から表紙、G.バルビエ、A.E.マルティ、そしてアールデコそのもののようなタヤーです。

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NATURGESCHICHE UND ABILDUNGEN 1833~36 LEIPZIG

スイス人のH.R.Schinzによって著された哺乳類、鳥類、両生爬虫類、魚類の4巻の動物分類図譜です。彩色された魚類図版はかなり前にバラされた図版として手に入れていましたが、出典は分かりませんでした(T_T)
その後、とある展示会場で偶然この出典元を発見しました。鳥類が欠けたセット崩れであること、彩色されていない版で状態が傷んでいるなど、私の入手条件に近い(^^ゞ 最後に決定的だったのはバラでもいいよ、の店主の一言(^^)v
魚屋である私としては魚類編だけを買うつもりでしたが、パラパラと他の編も見ているとこのタイマイ(べっ甲ガメ)の図版を見つけてしまいました\(^o^)/ 最近は亀屋でもあり見逃せなくなりました(^^ゞ  教訓、展示会にはカードを持って行ってはいけませんm(__)m

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DE FUTTERKRAUTER 1863 LEIPZIG

今月ご紹介するのは「飼料植物」というドイツで発行された本からです。
農場などでの家畜の飼料植物を紹介した、どちらかというと専門書といった分野の本です。しかし、その銅板手彩色の図版は、日本の春の野辺でもよく見かける植物たちが愛らしく描かれています。
田植えの前のレンゲ畑やあぜ道のタンポポ。ツクシやワラビを摘んだ山里。この本の図版を見ているとそんな風景を思い出させてくれます。派手さは無い野辺の花たちが気に入って、手に入れた一冊です(^^)v しかし、ドイツ語はつらい(^^ゞ

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THE NATURALIST’S LIBRARY 1833~43 EDINBURH

英国のSir W.Jardineによって著された全40巻余の博物図鑑の中から、ハチドリをご紹介したいと思います。
全巻の内訳は鳥類、哺乳類、魚類、昆虫などで、その中でも一般受けしそうな種類を主に扱っています(^^) 爬虫類などの私好みは無視されました(^^ゞ
小ぶりの本(11cm×17cm位)で、一冊ならばお値段もお手頃ですが全巻揃いとなるとちょっと手が出難い価格になります(T_T) 図版は銅版手彩色で結構好きで、私はジャンクのバラ買い専門(^^ゞ 10冊くらいまでは簡単に集められますが、そこからなかなか手持ちで無いものが現れません。2巻を合本してあったり、再版で彩色の悪いものやバラで集めるのも大変です(^^ゞ
ネットで探しているので皆さん私の邪魔をしないでくださいねm(__)m
現在集まったものは折を見てまたご紹介したいと思います。

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大日本魚類画集 大野麦風 昭和12~19年

平成25年の最初は我国の図版から始めたいと思います。
年の初めですので、おめでたい出世魚を選んでみました(^^)v
日本の伝統的な技法の浮世絵、木版画の極致とも言えそうな多色刷りによって仕上げられています。手描きと見間違えるような精緻な仕上がりは、もはや再現できないのではと思える出来映えです。
左のブリは関西ではツバス、ハマチ、メジロ、ブリと成長につれ名前がかわり、右のスズキはセイゴ、ハネ(フッコ)、スズキと変わっていきます。関東や地方によってはさらに細かく分けたり、呼び名も異なってきます。しかしいずれも成長につれ名称が変わることでは共通です。
スズキの右下にはカゴカキダイが2尾、絵画としてのバランスも素晴らしいとは思いませんか\(^o^)/

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19世紀の博物画に登場するヘビたち

来年は巳年。そこでいくつかの博物画の中からヘビを選んでみました。左から年代順に並んでいます。左の図(1810)は古いヘビ図の特徴をよく残しています。デザイン的なヘビの姿勢、まるで尺取虫のような進み方はユーモラスで私は結構好きです(^^ゞ
2番目(1840)は学術書らしく頭部の詳細などが書き込まれ、さりげなく腹部側も描かれています。右の2枚は、現代の図鑑でも使えそうなリアルなヘビ図になっています。
年賀状にはやっぱり左かな(^^)v

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SCENES DE LA VIE PRIVEE ET PUBLIQUE DES ANIMAUX 1842 PARIS

先月に引き続き、グランヴィルの作品をご紹介したいと思います。
「動物たちの私生活、公生活の情景」といった題名のように、様々な動物たちが擬人化され社会を風刺しています。当時の階層の人々をそれに相応しいと思える動物たちに置き換え、鋭く世相を批判しています。まさに、グランヴィルの面目躍如と行ったところです(^^)v
2巻組みで数多くの挿絵がありますが、元本には彩色されていません。ここでご紹介しているものは、バラ売りされていたもので、商品価値を高めるために彩色されたものと思われます。それにしっかりはめられた訳です(^^ゞ そのせいか、彩色が雑ですが博物画ではないので納得したのを覚えています(^^)
後日、本もゲットしましたが私のようなジャンク狙いですと比較的リーズナブルな価格で手に入りましたが、やっぱり素人にはカラーのほうがいいなぁ(^^)v

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LES FLEURS ANIMEES 1847 Paris

先月は秋の味覚、葡萄を取り上げました。今月は趣向を変えて芸術の秋でもありますし、当ホームページのアート部の版画シリーズからグランヴィルの「花の幻想」をご紹介します(^^)v
J.I.グランヴィル(1803~1847)は風刺画家としてパリで活躍していて、とくに擬人化した動物たちによる社会風刺には定評がありました。しかし、この作品は花々を美しい女性の姿で表現しています。これは1842年に愛する妻を亡くし、その妻を美しい花になぞらえて甦らせたいとの思いがあったのではないでしょうか。
様々な花になって甦ってくる妻を思い描いたこの本が出版されたその年、グランヴィルは妻の元へ旅立ちました(T_T)
パリの古本市で無数の本の背表紙を眺めながら、ANIMEをANIMALと思い動物関係の本と勘違いして手に取りました。まさに私に見つけられるのを待っていた本なのです\(^o^)/
動植物の博物画から、次第に興味の方向が変わり始めたきっかけの本でもあります(^^ゞ

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AMPELOGRAPHIE 1901~1910 PARIS

猛暑も一段落して、朝夕は過ごしやすくなってきました。いよいよ味覚の秋の到来ですね\(^o^)/
今回はP.VIALA 、V.VERMORELによって著された「ブドウ学」からの出典です。全7巻の大冊です。
ワインの本場のフランスですから、その品種の多さも桁違いです。このような本が出版されるのもうなづけます。
多色刷りの図版は、よくバラ売りされているのが見られます。また、素材としても装飾画として人気があるようで、我国でもワインを提供するレストランなどで見受けられます。ワインを飲んでばかりいないで壁に懸かった絵にも目をやってください(^^)v

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FABRE’S BOOK OF INSECTS 1921 LONDON

夏休みといえば、一昔前の少年たちは昆虫採集と相場は決まっていました。そして、彼らの必読書は「ファーブル昆虫記」だったのです。
今回ご紹介するのは、その「ファーブル昆虫記」に登場する虫たちをE.J.DETMOLDの美しいイラストで紹介する私にとってはたまらない一冊です\(^o^)/
イラストはオフセット印刷で、古書というより古本といった扱いになりますが(^^ゞ しかし、表紙は金文字ですし、しっかりした作りは本棚にあっても引けをとりません(^^)v ともかく素晴らしい図版をお楽しみください。

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NARRATIVE OF THE EXPEDITION OF AN AMERICAN SQUADRON OF THE CHINA SEA AND JAPAN・・・・1856 WASHINGTON

この「ペリー日本遠征記」には、この本の評価にかかわる重要な図版があるのです。それは「下田の公衆浴場の図」です。当時の日本での混浴の習慣を描いたものです。明治政府には野蛮な風習、近代国家を目指すには不都合と思い、日本にもたらされた本書からは削除されたのです。私にとってはどうでもよくて、無くて安いほうがよかったのに(^^ゞ
でも、せっかくですのでその図を含めて、興味深いものを選んで見ました。
混浴の図といっても、今の皆さんにはあんまり期待に応えられなくてm(__)m

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NARRATIVE OF THE EXPEDITION OF AN AMERICAN SQUADRON OF THE CHINA SEA AND JAPAN・・・・1856  WASHINGTON

長い題名で全部書ききれませんでしたが、「アメリカ海軍艦隊司令官ペリーによる中国海、日本遠征記」といったところでしょうか。要するに、幕末あの黒船で日本へやってきて開国をせまったあのペリーの航海の報告書です。
三巻からなり、第1巻は遠征の本文で各地の風俗などの図版が多数含まれています。第2巻は学術報告書で博物画などが含まれ、第3巻は航海における天体図となっています。
私は第2巻だけ欲しかったのですが、もちろん分売はなく三巻とも買わなくてはいけません(T_T)
見ず知らずの私に、住所氏名を聞いただけで、分割払いにしてくれた神戸の老舗の古書店は残念ながら今はありません。人を見る目のある店主だったなあ(^^)v 今回は第2巻から博物画を、次回は第1巻から風俗画をご紹介したいと思います。

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OEUVRES DU COMTE DE LACEPEDE 1826~33 PARIS

「ラセペード伯爵の業績」と題された全11巻の大作です。
3月にご紹介した挿絵とは打って変わって生物そのものを描くだけの簡素な図柄です(^^ゞ しかし、これらの図版には独特の隠し味があります。生物の図版は全て彩色されたものと、無彩色のものとのペアとなっているのです。
なぜ、そのようになっているのかといいますと、生物の色というのは重要な情報ではありますが種類を説明するときに、その色は生物の生息環境によったり、幼魚と成魚では異なったりとかえって、混乱することがあるのです。その点鱗の並び方や数は種によって一定です。そのようなことを踏まえて2枚の図版を採用しているのです。このような例は蝶や蛾の図譜でも知られています。
「ラセペードは持っているか?」と聞かれて「もちろん」と答えたものの状態が気になって一応見せて、といったらとんでもないのが出てきてしまったのが今回の本です。カード2枚を駆使してなんとかゲット(T_T)
(下記の図版は便宜上サイズを変えましたが、実際は同寸です。)

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ILLUSTRATIONS OF FUNGI 1864, 65 LONDON

S.PRICEによって著されたキノコの図譜です。石版手彩色で描かれたキノコたちは愛らしく、癒されると思いませんか(^^)v
キノコは食料としても重要ですが、その形状や色彩のユニークさや、しかも毒があるものがあったりして、様々なモチーフとしても活躍しています。
園芸植物と違って、キノコは育てて鑑賞するということが難しいことや、標本としてその姿を残すことも難しいコレクター泣かせの難物です(^^ゞ
  しかし、キノコファンは意外と多くこのようなキノコの博物画は意外と人気です(^^)v

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HISTOIRE NATURELLE DE LACEPEDE 1876 PARIS

先々月にご紹介したビュフォン伯爵の未完の部分を完結させたのが、今回ご紹介するラセペードです。この「ラセペードの博物誌」には両生類、爬虫類、魚類、そして鯨類を含んでいます。なんでクジラとお思いでしょうが、海の中にいるので(^^ゞ  この時代にはクジラを魚類の仲間とは思ってはいませんよ、念のため(^^)。
色々なバージョンがありますが、今回ご紹介するものの博物画がドラマチックで私は好きです(^^)v
 パリの古書店ではバラされた図版はもちろん、二巻組みの本もちょくちょく見受けられます。私も初めて見つけたときは思わず即ゲット。しかし、その後何度も出会いますが私が買った価格より安い(T_T)。銅板手彩色ですが、それ程高価ではなく、博物画入門の本としてはお勧めです。
もちろん、もっと学術的な挿絵のバージョンもありますがそれはまた後日(^^ゞ

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PAXTON’S MAGAZINE OF BOTANY 1842 LONDON

パクストン氏植物学雑誌の中からご紹介したいと思います。この雑誌は1834から49年にかけて出版されたもので、十数巻にまとめられています。全巻揃いですとかなりの価格になりますが、古書店を回っていると時おりバラで売られているのに出会います。
植物にあまり興味が無いのですが、イギリスの片田舎の古書店で表紙も背表紙も外れたジャンク品が格安で売られていました。中の図版は問題なかったのでジャンク大好きな私としてはスルー出来ない (^^ゞ
ジャンク品の図版ですいませんm(__)m それでも石版手彩色ですよ(^^)v

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Georges-Louis Leclerc, Comte de Buffon(1707~1788)

長い名前ですがビュフォン伯爵、フランスが誇る大博物学者です。
「一般と個別の博物誌」という、とんでもない大博物図譜を制作した人です。動植物を網羅しようとしましたが、彼の寿命が少し足りませんでした(T_T) しかし、一部は未完となったものの、その著作は大ベストセラーとなり、多くの国々で発行され、様々なシリーズとなって刊行されました。
鳥シリーズの中の極楽鳥やセイランもビュフォンの著作の中からです。
他にも色々と持ってますので(^^)v ご紹介したいと思います。

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Aves Hawaiiensis:The Birds of Sandwich Islands 1890~99 London

鳥シリーズの中より、ハワイの鳥たちです。
ハワイは日本人に一番馴染みのある外国でしょう。そのハワイの鳥類を取り上げた図譜です。日本人にとって常夏のハワイは自然あふれるパラダイスです。しかし、この図譜が発行されてから百年あまり、今回下記に紹介した鳥たちはその間に絶滅してしまいました(T_T)
あまり知られていませんが、ハワイはキャプテンクックによって西洋に知られるようになってから、多くの植物や動物が絶滅しているのです。
絶海の孤島である島々は非常にデリケートな生物バランスのうえに成り立っています。人々の流入により、知る、知らずにかかわらず持ち込まれた動植物により多くの固有種が絶滅してしまいました。
今回ご紹介する素晴らしいミツスイの仲間は、常夏のパラダイスから永遠に消えてしまいました。

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Monograph of the Genus Casuarius 1900 London Walter Rothschild

鳥シリーズの中より、ヒクイドリ図譜を取り上げました。著者はW.ロスチャイルド。知る人ぞ知る資産家です。銀行業は次男に譲り、莫大な財産を費やして動物収集に明け暮れ、博物館まで作ってしまったという、羨ましい生涯を送った人です(^^ゞ
その彼が鳥を描いては定評のあるJ.G.キューレマンを起用して制作したものです。リトグラフに手彩色の図版は気品ある仕上がりになっています。さすがキューレマン(^^)v
現在ではヒクイドリは3種とされていますが、生息する島々による変異を丁寧に図示されています。

ヒクイドリは気性の激しい鳥と言われていますが、ニューギニアの民家で庭に放し飼いにされた人懐っこいヒクイドリを見たことがあります。塀越しに写真を撮っていると、飼い主が私に買わないかと言ってくる。「うう~ん」ちょっと悩んでお断り。 悩むな!m(__)m

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Oekonomische Naturgeschichte Der Fische Deutschlands 1785~1795 Berlin M. E. BLOCH

先月に続き、魚シリーズの中からブロッホによる「魚類図譜」から取り上げてみました。
フランスでも、英国でもないドイツで18世紀に刊行されたにもかかわらず、魚類図譜の形式を確立したといってもよい記念すべき大著です。
先月の「英国淡水魚図譜」は一世紀も遅れて発行されたにもかかわらず、魚たちは陸の上で寝そべっています(^^ゞ
 絵画と図鑑としての挿絵との違いがまだ曖昧なのです。
下記の中央のツバメコノシロの図譜には魚の断面図が添えられていて、平面の図の欠点を補っています(^^)v
 右の拡大図は鱗の一枚一枚に金粉を混ぜた絵の具で縁取られて、光沢まで表現しています。(このような図版はお高い(^^)v)
このように様々な工夫がなされた図版は全部で400枚を超えます。魚の種類にもよりますが一枚数万円。ちょくちょく出会いはしますが、はたして何枚集められるだろうか(^^ゞ

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British Fresh-water Fishes 1879 LONDON W. Houghton

今月からアート部の博物画シリーズの中から順次取り上げてみたいと思います。
最初は「魚」の中から「英国淡水魚図譜」です。美しい図版で特にサケ、マスの類は秀逸です。何枚かはバラで持っていたのですが、ロンドンの書店で本に出会ってしまいました(^^) 図書館からの放出品で多くの人に閲覧された様子で程度も悪く、しかも図版が2枚切り取られていました。そのせいで安価で私にも購入できました(^^ゞ
店主に欠落した図版が手に入ったら送ってくれるように頼んでいたところ、数年後に1枚が送られてくる。私が忘れていたのに、しかも無料で\(^o^)/ 英国はやはり紳士の国である。その後、残りの1枚も片田舎のプリントショップで見つけ(とっても高かった)、やっとコンプリート(^^)v ちなみに後年、御礼にこの店に行き古地図を高く売りつけられました。私はなんて律儀なんだろうm(__)m

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鳥類写生図譜 第1~4集 昭和3~13年

「サイトマップ」の柱の出典です。
小泉勝爾、土岡春郊の共著である本書は、日本が誇る鳥類の博物図譜といっても過言ではないでしょう。一種類の鳥に対して花鳥画のような図版と鳥の各部位を示した図版の二枚を用意する贅沢な編集。
表紙(左)の装丁も緞子表大和綴という豪華絢爛(^^)v 次は出典のサンコウチョウとハコネウツギ、そしてその詳細図、右はアカヤシオの花にコマドリを配した図版。本当に美しいとは思いませんか。日本人に生まれてよかった\(^o^)/

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DESCRIPTION DE L' EGYPTE (エジプト誌) 1809~22

「お問い合わせ」と「サイトポリシー」の柱の出典です。
ナポレオンがエジプト遠征をし、スフィンクスを指差し兵士に「諸君、四千年の歴史が見下ろしている」と言ったとか、そのエジプト遠征の記録を本にしたものが本書です。
なんといってもナポレオンが作らせた本です。そん所そこらの本とは違います。質、量、大きさ何をとってもとんでもない本です。巨大な本であることは有名ですが、図版に使用した紙にも「EGYPTE」の透かしが入っているという凝りようです。
初めてこの図譜に出会ったときは感動したのを覚えていますが、パリの古書店や図版を扱っているところでは意外とよく出会います。しかし、見栄えの良い図版にはなかなか出会えませんし、良いものにはかなりの値段がついています(^^ゞ
本来、着色されていないものにも後から着色され、装飾的価値を高めた?ものもよくみられます。

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FETES GALANTES (艶なる宴) 1928

当ページの柱の出典です。P.ヴェルレーヌの詩集の挿絵です。原画はG.バルビエです。
バルビエ(1882~1932)は服飾雑誌のファッション画や書籍の挿絵などに、ポショワールという技法で多くの作品を提供した、20世紀初頭のフランスを代表するイラストレーターです。彼については多くの紹介図書もあり、ネットでも調べられますのでそちらを参照してください(^^)v
パリの古書店で博物画を物色していたとき、何気なくポショワールはあるかと聞いたところこの一冊が出てきた。いきなりバルビエを出すやつがあるか(^^ゞ  しぶしぶ有り金全てとクレジットカードでゲット(T_T) その後、そこの狸オヤジは私の顔を見るたび「ポショワール、バルビエ」を連呼するようになる。値切ったつもりだったがまだ値切り足りなかったようだ。チクショー。
ポショワールという版画の技法は、色をつけるところを薄い金属板などを切り抜いて型とする技法です。英語ではステンシル、日本ではカッパ刷り(河童ではなく合羽)。やっぱフランス語はお洒落だわ。(^^)

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Deuxieme Centurie de Planches Enluminees 1778~81

出版部のページの柱の奇妙な魚の出典です。著者はP.J.Buc'hoz 。
これらの魚たちを見て、「モルッカ諸島の魚類図譜」では、と思われた方は博物画通です。私も疑いも無く購入しました(^^)v ところが、荒俣宏著の「極楽の魚たち」(リブロポート刊)を見てみるとそっくりな図はあるのですが1ページに収まっていないのです。また怪しげな図版を買ってしまった(^^ゞと思っていましたが、ひょんなところで同じ図版を見つけました。ロンドンで1990年に発行された「CLASSIC NATURAL HISTORY PRINTS FISH」の中に全く同じ図版が収録されていたのです。図版のサイズ、図中の数字の書体、位置などもほぼ一致し、上記の出典と判明した次第です。
挿絵の流用などお構い無しの時代です。図版も流転し、様々なところで顔を出してきます。博物画って面白いとは思いませんか。(^^)/~~~

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鳥類図鑑 London 1731~38

ホームページのアート部の柱に使用した極楽鳥の図の出典で、E.アルビンによる英国で最初の手彩色鳥類図譜です。
極楽鳥が西欧に紹介された当初、標本に足が無く、そのあまりの美しさから天国の鳥で地上に降りることのない鳥で、そのため足が無いとの俗説が流布しました。その後、もちろん足があることが判り、その姿には足が描かれるようになりました。
私としては足の描かれていない頃の図版が欲しく、やっと見つけた一枚です(^^)v
アルビンの図は、お世辞にも上手いとは思えません。特に右のカワセミの背景とのアンバランス。鳥が巨大すぎて、木が曲がってしまったかのような。しかし、これが博物画の醍醐味なのです(^^ゞ

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百科全書 Paris 1751~72

ホームページトップの背景に使用したキュートなフグの図版の出典です。
ディドロとダランベールによって編纂された有名な百科全書で、百科全書派と呼ばれる知識人の一団を生み出し、フランス革命へと続く記念碑的書籍で、本文と図版集を合わせると28巻にもなる大著です。
図版の大きさは分野によってやや大小がありますが、図版の周りの黒枠で縦32cm×横21cm位が目安です。
パリの古書店を覗いていると運がよければ切り取られた図版に出会えることがあります。私も最初の一枚は出典を知らずに購入しました。(^^ゞ

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